2013/01/22

「第5回インデックス投資ナイト」参加レポート その3

「第5回インデックス投資ナイト」参加レポートその1その2の続きです。

19:20からは「第2部 座談会 ファンドマネージャーがホンネで語る運用業界」が行われました。

当日の会場の雰囲気を再現できるよう詳細に書いた結果、長文となってしまいましたが、参加出来なかった方に伝われば嬉しいです。

以下は座談会出演者の発言を引用したものであり、私の個人的解釈でまとめていますので、誤解・曲解があるかもしれないことを予めご了承下さい。(間違いがあった場合、ご指摘いただけるとありがたいです。)




カン氏
「皆様、お待たせいたしました。ただいまから第2部座談会になります。ファンドマネージャーがホンネで語る運用業界と題しまして、4名のパネラーの方に登場していただきます。ところで私は一体誰ですか?(会場笑い)私はインデックス投資アドバイザーの、本日、座談会の司会をさせていただきますカン・チュンドと申します。どうぞよろしく。(会場拍手)今回、第5回目のインデックス投資ナイトなんですが、去年の夏の、真夏のインデックス投資ナイトも含めて今日来るの始めてという方、手を挙げていただけますか?多いですね!ようこそインデックス投資ワールドへ!2回目という方は?3回目?もしかして4回目?もしかして5回目の方?(5回目の方も何名かおられて、会場から「お〜!」という声が)すごいですね〜。世の中には物好きな方がおられますね(会場笑い)無駄話はこれくらいにして、さっそくパネラーの方4名の方に登場していただきます。皆さん、準備はいいですか?何するか分かってますね?拍手するんですよ?では、まず一人目です。日興アセットマネジメント株式運用部長兼オルタナティブ運用部長である丸山隆志さんです。どうぞ〜。」

(丸山氏登場、会場拍手)

カン氏
「続きまして、鎌倉投信取締役資産運用部長でいらっしゃいます新井和宏さんで〜す。」

(新井氏登場、会場拍手)

カン氏
「続きまして、資産デザイン研究所代表取締役である内藤忍さんで〜す。」

(内藤さん登場、会場拍手)

カン
「そして最後は経済評論家、楽天証券経済研究所客員研究員でいらっしゃいます山崎元さんで〜す。」

(山崎さん登場、会場拍手)

カン氏
「では、パネラーの4名のみなさん、一番始めにやるべきことはご存知ですよね?飲み物を注文して下さい。」(会場笑い)

(壇上から、ハイボール、生ビール…)

カン氏
「どなたか聞いてあげて下さい。」(会場笑い)

カン氏
「私はいらないです。仕事するんで。」

山崎氏
「こっちが遊んでるみたいじゃない。」(会場笑い)

カン氏
「今日お越しの個人投資家のみなさん、投資信託そのものは知っておられると思いますが、投資信託の作り手である運用会社で何が行われているか、ファンドマネージャーっていう人は何をしてるのか意外と知らないですよね?そういった疑問点を個人投資家の立場から今日は色々知っていただくというのが、この座談会の一番の趣旨でございます。で、まず最初にですね、4名のパネラーの方に自己紹介とともにファンドマネージャーっていったいどんなことをする人なのか、ちょっと簡潔にご説明していただきたいというふうに思います。ではまず丸山さんの方から自己紹介とともによろしくお願いします。」

丸山氏
「みなさん、丸山と申します。よろしくお願いします。」(会場拍手)
「私はですね日興アセットマネジメントという運用会社で株式とオルタナティブ運用部の部長をしております。だいたい部員が40名ほどおります。ファンドマネージャーが15名、アナリストが15名くらい、あとアシスタントというような構成で日本株ですとか、グローバルマクロ、先ほどスウェーデンのお話なんか出ていましたけれども、そういったものの運用に携わっています。6年前に日興アセットマネジメントに入ったんですが、その前は別の会社でファンドマネージャーをしておりました。今はファンドマネージャーの取りまとめといいますか、部として全体のパフォーマンスが良くなるような仕事をしております。で、ファンドマネージャーの仕事とは何なのかいうことなんですけど、人様のお金を運用するということですので、基本的には信頼をしてもらわなければいけない。なので、信頼をしていただくということで、まず事前の方針通りに運用を行うということと、それから説明責任ですね。どういうことが起きていて、成績がいい時も、悪い時もしっかり説明するということがファンドマネージャーの仕事だと思います。」

カン氏
「ありがとうございます。続きまして新井さん、よろしくお願いします。」

新井氏
「鎌倉投信の運用責任者である新井と申します。よろしくお願いします。」(会場拍手)
「アルコールがあまり入っていないので、あまり飛ばせないんですけど…(会場笑い)取締役資産運用部長としまして、部員は1名、私のみでございます。(会場笑い)ファンドマネージャーの仕事っていうのは何かっていうとですね、自分の場合は1人ですから自分の中で決めなければいけないんですけど、ファンドマネージャーというのは朝、うちの場合ですと、古民家なもんですからまずは古民家の掃除からスタートします。(会場笑い)で、それからですね8:30から会議をしてですね、今日どういったトレードをするかっていうことを実はやっております。ちなみに9:00くらいから10:00くらいまで実際にオーダーを出す時間です。これを1日ず〜と話していますと時間が無くなりますので、この辺で、後ほど話させていただきます。ありがとうございます。」

カン氏
「ありがとうございます。では内藤さん、よろしくお願いします。」

内藤氏
「私ファンドマネージャーじゃないんですけど、資産デザイン研究所というのを今年の1月1日から始めました内藤です。よろしくお願いします。」(会場拍手)
「男性に人気がある内藤です。(会場笑い)いつも握手求められるは男性で、手に汗かいたりするんですけども。私はファンドマネージャーの仕事は、住友信託銀行、今の三井住友信託銀行で、87年から10年くらい。その時は、銀行勘定といいまして、みなさんが信託銀行に預けたお金の運用を行なっていました。その後、シュローダーっていうイギリス系の投資顧問会社といいますか年金運用の会社にいまして、バンガードの加藤さんと一緒にお仕事させていただいたことがあるんですけど、そこで債券のファンドマネージャーとグローバルアセットアロケーションのファンドマネージャーを2年くらい。その後、マネックスに行ったあとは、証券会社の仕事を。その後は、クレディ・スイスだったので、運用の仕事だったら14年くらい前にしかやってないですけど、そんな感じです。ファンドマネージャーって山崎さんもファンドマネージャーやってましたよね?会社によってだいぶアクティブとインデックスで違いますし、社風によっても、あとどういう人員でやっているのか、それによってだいぶ違うと思いますので、その辺の話をいろいろ今日は出来ればと思っています。よろしくお願いします。」

カン氏
「ありがとうございます。では山崎さん、よろしくお願いします。」

山崎氏
「山崎元といいます。経済評論家という肩書きを使うことが多いんですが、経済評論家として喋ったり、書いたりすることもしますし、楽天証券という証券会社の社員でもあります。証券会社の社員だから、もしかすると嘘つきかもしれない。(会場笑い)その辺は心配していただきながら、話を聞いていただきたいと思うのですが、獨協大学で金融資産運用論とかの授業もやっています。ファンドマネージャーということというか、運用会社は6社務めていました。今の楽天証券は13社目なんですが、運用会社でいうと野村投信、住友生命、住友信託、シュローダー投信、第一勧業アセットマネジメント、明治生命、13社中6社の運用会社で、ファンドマネージャーを相手に証券会社の仕事をしていたり、研究所に行ったりということが多いですかね。ファンドマネージャーっていうと、どんな働きぶりなのかっていうと、別に自分が稼いでくるっていうよりは、ポートフォリオが勝手に稼いでくれるわけですから、上手くいかないかな〜と祈る。運を用いると書いて運用というくらいのもんですから、ただ、上手くいかなかった時に、言い訳をしなければならない。年金運用なんていうのは特に言い訳のアートですよね。(会場笑い)うまくいかなかった時にどういう言い訳をするかというのが第一。ファンドマネージャーっていうより営業部長みたいなファンドマネージャーも結構いるように思います。まあ、ビジネスとしての現実もあるんだなあと、僕は昨今のファンドマネージャーの仕事じゃないのかなと思います。」

カン氏
「なるほど。ありがとうございます。丸山さん、今山崎さんが言ったことは本当なんですか?」

丸山氏
「違うと思いますよ。(会場笑い)もちろん祈ることは大事ですね。」

山崎さん
「鎌倉投信って祈ってるようなイメージがある。」(会場爆笑)

カン氏
「新井さん、そうなんですか?(笑)」

新井氏
「祈ってなんぼだと思っています。(会場笑い)まずは精神修行が先なので。心を磨かないと運用は上手くいかない。これは僕は間違いないと思っています。」

丸山氏
「その前に、心を平静にする前にやることがある。例えば手元にあるお金を1ヶ月でなんとか増やしたい。もしくは10年で増やすと。何に投資しますか?安倍首相のおかげで、ずいぶんパフォーマンスが良くなったというお話もありましたけれども、やっぱりここから日本株なのか?株じゃなくてドル円ではないか?もしくはスウェーデンなのか?(会場笑い)こういうようなことを考えるための知識、そして洞察みたいなことを磨いて、それでも上手くいかないことがあるんですね。それを先ほど山崎さんは言い訳という言葉で表現されましたけど、私は説明責任。(会場笑い)なので、そのあとで、上手くいくように祈る。祈るというのは別の言い方をすれば、投資ですからみなさんご存知のように、結果が出るときも出ない時もありますから、自分を信じて、心の修行をして、自分を信じ続けられるかどうか。こういうことじゃないですかね。」

山崎氏
「まあ、投げるに信じると書いて投信って。」(会場爆笑)

カン氏
「さっき新井さんの方から、朝はいつも掃除をされるということだったんですが、お仕事終わるのは何時くらいなんですか?」

新井氏
「仕事が終わるのは何時っていうことはないですね。人によって全然違うって感じですね。別に定例で仕事があるのはオーダーを出さなければならないので、それだけですけど。それ以外は情報収集が多いですから、私の場合は、あっち行ったり、こっち行ったり、鎌倉にいることが週に1〜2回しかいない。」

山崎氏
「じゃあ、週に1〜2回しか掃除してない?」(会場爆笑)

新井氏
「バレちゃいました?(笑)精進が足らない。」

カン氏
「日興アセットマネジメントさんはインデックスファンドを運用されているファンドマネージャーもおられると思うんですが、インデックスファンドの運用ってやることあるんですか?」

丸山氏
「そりゃやることいっぱいあります。」

内藤氏
「笑うとこですよ!笑うとこ!」(会場笑い)

カン氏
「どんなことするんですか?」

丸山氏
「インデックスファンドのファンドマネージャーですね?まず、キャッシュインフロー、アウトフローがそれこそ毎日ありますんで、速やかに投資できる、フルインベストメントにするようにしなければならない。もしくはアウトフロー、解約が来た時に速やかに現金化する。日本株みたいに為替が発生しない場合には、比較的にオペレーションは楽なんですけど、海外株、特に規制が相当あるような国もありますんで、他にも海外の休日と日本の休日がずれている場合がある。なのでそこを速やかにオペレーションをするっていうのは大変。」

内藤氏
「昔、10年ほど前にバンガードの本社に行ったことがあって、インデックスの総本山で、バンガードのアクティブファンドってバンガードが運用してないんです。すべて外出しでアウトソースしている。名前を付けてラベリングしているんですけど。バンガードのインデックスファンドの運用しているディーリングルームに入れてもらったんです。イメージとしては原発のコントロールセンターみたいな感じです。みんな画面見てるんです。ず〜と。お金が勝手に入ってくる。チャリーン、チャリーンと。それをどう振り向けられているか見てるんです。エラーが出ていたり、アラームが出たりしたら、どうなってるの?と。基本的に手は動かさない。50兆円くらいお金をを10人くらいで。機械的にやってるだけなので、たぶんアルゴリズムがちゃんとあってそれを人間がやるよりエラーが少ないですから。」

カン氏
「じゃあ、アクティブファンドの方が忙しいんですか?」

内藤氏
「アクティブ暇じゃないんですか?」

新井氏
「誤解を生むような発言はやめて下さい。」(会場笑い)

カン氏
「新井さん、どうぞ。」

新井氏
「アクティブの方が暇だと思います。(会場笑い)だってインデックスの人、大変ですよ。」

カン氏
「新井さんは前職インデックス系の運用もされていて。インデックスの方が大変なんですか?」

新井氏
「前の会社BGIっていうiSharesを扱っている会社で運用をやってましたけど、インデックスの人はこまめにインデックスが変わったインデックスチェンジとか、いつ買うかということを一生懸命考えているわけですよね。アクティブは前のエンハンスドインデックスをやっている時に、すごい大変でしたけど、今のアクティブファンドをやっている時は、ま〜楽。(笑)いやいや非常に考える時間があるんだな〜と思ってます。」

カン氏
「あの〜丸山さん、インデックスファンドを運用する人たちとアクティブファンドを運用する人たちって仲いいんですか?日興アセットマネジメントの中で。」

丸山氏
「よくですね、仲が悪いんじゃないかというふうに思っている人がいると思うんですけど、仲が悪くはないんです。もちろん。でも仲がいいってわけでもないんですね。」(会場笑い)

カン氏
「そうなんですか!」

丸山氏
「っていうのは、関心の方向が全く違うんですね。アクティブファンドマネージャーの場合は、いかに自分が市場に勝てるか。もしくは他のアクティブファンドマネージャーに勝てるか。インデックスファンドマネージャーの場合は、いかにインデックス通りに運用できるか。いかに売買コストを減らすか。タイミング良く売買するか。たしかにインデックスって当たり前ですけど、インデックスとのデイリーでのトラッキング・エラーを考えるので、日本で言う大引けが大事になる。2時とか3時に席を外せないんです。ところがさっきの話じゃないですけど、アクティブファンドマネージャーっていうのはだいたい午前中に情報を仕入れて、マーケットを見たら、午後は会社訪問です。アクティブファンドマネージャーって自由そうに見えるんですね。なのでそういった意味で、アクティブファンドマネージャーとインデックスファンドマネージャーで仲良く語っているところは見ませんね。」

カン氏
「なるほど。新井さん、正直なところどっちの方が運用は難しいですか?インデックスとアクティブっていうのは。」

新井氏
「運用の難しさでは、同じだと思います。変わらないんじゃないですか?よくコストの話でインデックスとアクティブだと、インデックスが安くてアクティブは高いっていうじゃないですか。たぶん見ていて思うんですけど、どっちの手間が多いのかっていったら、どっちも大変な仕事なんですけど、変わんないですよ。そういう意味ではインデックスの人ってすごい大変だな〜と。安いフィーの中で、大変だな〜と思って見てました。」

山崎氏
「やっぱりインデックスファンドに投資することって、良くて安いものを買うっていうことですよね。インデックス投資ナイトはいいイベントなんです。」(会場笑い)

カン氏
「これは4名の方、全員にお聞きしたいんですが、もしアクティブ運用しているとしてベンチマーク、いわゆる市場平均を越えるパフォーマンスを続けるというのはどれくらい難しいことなんですか?」

丸山氏
「それは難しいですね!(キッパリ)それこそみなさん調べていただくと、毎年安定してインデックスをアウトパフォームしているファンドが少ないか、たぶんご理解いただけると思います。」

新井氏
「え〜、難しいと思います。アクティブマネージャーでそう言う人はほとんどいないと思います。私はインデックスについていかないと決めたからこのファンドをやるだけで、インデックス対比で勝つというのは、BGIの頃思ったんですが、本当に難しいですね。」

内藤氏
「インデックスに勝つということをアクティブの人が言っていると思うんですが、結局どのくらいインデックスとずらすかというところばっかり見ている。いわゆるサラリーマン的な考え方。例えばアクティブファンドの組入ベスト10とTOPIXの時価総額ベスト10で比較するとほとんど同じになっているファンドもあるわけです。トヨタを持たないリスクっていうのが、ファンドマネージャーにあって、トヨタを持ってなくて、トヨタの株が上がったらTOPIXに負けちゃいますよね。(時価総額の)大きい銘柄を入れないっていうのはアクティブファンドマネージャーとしてはリスクなんですよ。もし、それ買わないで上がっちゃった時に負けちゃうんです。勇気がいるんです。勇気のない人はどんどんインデックスに近づいていっちゃって、インデックスとほとんど同じようなアクティブファンドになってしまう。そういう問題がひとつあって。あと、インデックスファンドのインデックスっていうのに対する問題ってあると思うんです。例えば日本株だったら、TOPIXと日経225って有名ですけれども、どちらも問題点があって、新興株式が入っていなかったりしますし、日経225の場合は225銘柄しか入っていなくて、銘柄変更があったりとか、だからどんな国のインデックスにも、インデックス自体に問題があるので、インデックス買ってれば平均買っているっていう幻想は捨てた方がいいんじゃないかな。」

山崎氏
「立場によって違うことを言わなくてはいけないんですけど…大学教師をしていて、アクティブファンドはとっても難しい。こう言わなければならない。だいたい6割〜7割のアクティブファンドがベンチマークに負けている。かつ、それがしょっちゅう入れ替わっている。ということで、アクティブファンドの平均はインデックスを下回る。かつ、どのアクティブファンドがいいのかは事前には分からない。この2つが運用業界の不都合な真実と名付けているものなんですが、アクティブファンドの方がフィーが高いのであれば、経済的な意思決定としてアクティブファンドを買うことは合理的ではない。そういうことが論理的に言えてしまう。ファンドマネージャーとしてどうだったんだということでいうと、難しいとしか言いようが無いんですが、ただなぜか私はわりと運が良かったんです。毎年年度ベースで負けたことが無い。それが継続すると思ったことは一度も無いし、今年はダメだろうと、今年は勝てるかっていうことは心配事で。マルチファクターモデルの使い手だったので、インデックスに対して、だいたいどのくらいのトラッキングエラーで、どんなリスクを取って、どんな運用をするかっていう割りと数理的な運用をしてたんですけど、勝てたのはたまたまだなと思うことが多かった。」

カン氏
「そう実感されておられるんですね。では会場の皆さんにちょっとお伺いしたいんですが、今投資信託を現に持っている人で積み立て、毎月定額で買っている方手を挙げていただけませんでしょうか?」

(大多数の方が手を挙げる)

カン氏
「では、スポットで、あるいはまとまったお金で買っているという方?」

(少数の方が手を挙げる)

カン氏
「パネラーの方にお伺いしたいんですが、運用する立場からいって、毎月コンスタントにお金が入ってくるのと、まとまったお金でどんっと入ってくるのと、ファンドマネージャーにとってどういうお金の入り方が一番いいな〜というふうに感じておられますか?」

丸山氏
「あんまりそれは大きな違いは無いですね。もちろんですね、我々としてみれば投資家からのお金のフローが先に見えた方が、やりやすい。毎月入ってくるっていうのはありがたいですけど。突然入ってきたから困るということは無いですね。」

カン氏
「解約とかはどうなんですか?突然大きな解約が不定期に発生しちゃうっていうのは?戸惑われたりされるんですか?」

丸山氏
「もちろん戸惑うかと言われれば戸惑いますけど。(会場笑い)運用資産が減るということは大変残念なことですので。流動性のある市場であれば、基本的には問題ないですね。」

カン氏
「新井さん、どうですか?」

新井氏
「資金フローは大事ですよ。大変申し訳無いですけど、これが無かったら、うちの運用はよくならないです。(キッパリ)rennyさんがコラボ投資って言ってますけど、もうそのものです。震災の時に普段の10倍の入金があったから、僕らはパフォーマンスがいいだけで、お客さんが僕のパフォーマンスを上げてくれているだけです。なぜならば、単純に安い時に買える。ただ、それだけですから。下がった時に入金してくれるほど、ファンドマネージャーが助けられることは無い。」

カン氏
「重要なんですね?」

新井氏
「重要です!」

内藤氏
「謙虚ですね。すごく。資金フローすごい大事。急に解約来ると、せっかく買った株を売ったり、リバランスしたり面倒くさいことが起きますんで、基本的には毎月だいたい何千万円とか何億円ってわかっている方が安定的に運用を続けていくことができますし、下がったところでお金が入ってくれば、それはごきげんですよね。誰かが言ってるように…」

山崎氏
「資金の出入りは無いほうがパフォーマンス上はいいですよね。ただ、資金が入ってきたもので、この辺を買いたいというところを調節することが出来る。割りと気楽に対応できる。出てくっていうのは、実際に自分が売ることによるマーケットインパクトもあるから、ファンドのパフォーマンスにもよくないし、気分もよくない。インデックスでもどんなファンドマネージャーでも気分はよくないんじゃないですかね?これはたぶん一致できると思う。」

カン氏
「もうひとつ丸山さんにお伺いしたいんですが、ファンドマネージャーの成績っていうのは、会社からどんなふうに評価されるんですか?」

丸山氏
「これもアクティブとパッシブ(インデックス)で違うんですけど、アクティブで申しますと、我々の場合は実績、数字です。基本的にベンチマーク対比で上回れたのか。あと、競合他社に対して、どれだけ勝ったのか。実績で判断する。」

カン氏
「つまりライバルファンドをピックアップしてるんですか?」

丸山氏
「そうですね。」

カン氏
「そうですか。それは知らなかった。インデックスファンドの場合は?」

丸山氏
「インデックスファンドの場合は、インデックスにどれだけずれなかったのかというようなところですね。例えばインデックスが19.32%だった時に、自分の成績が仮に21%だったら、これずれ過ぎですよね?意図してやっている場合はいいですけど、たまたまそういう結果になっちゃったということであれば、逆になるということもある訳ですから、これはよくないということになります。」

カン氏
「なるほど。」

山崎氏
「ただ、プラスにふれるのと、マイナスにふれるのとで、ぶれ方が全く対照的ならいいんですけど、マイナスにジワジワとぶれていくケースがありますよね?インデックスファンドを評価するときにトラッキングエラーだけで評価するとまずいのかな〜と思うこともあるんですが、丸山さんどうですか?」

丸山氏
「それはそうです。評価では厳密に評価してます。」

山崎氏
「投資家の方でも気をつけた方がいいと思います。例えばインデックスファンドを評価するときに、例えばETFなんかで結構トラッキング外れているやつありますよね?運用している人とか運用を見える立場の人から見ると、やっぱりこれはずれているから、危ないな〜とか、俺だったらこのETF買わないな〜とか思われることあります?」

丸山氏
「あのですね。ぶれててもですね、どうしても理由がある場合があるんですね。特に海外ものですとか、中国関係ですとか。どうしてもぶれることがあります。これは日本株と比べて大きくぶれますので、そのぶれてる理由がはっきりしていれば問題はないと思います。」

山崎氏
「MSCIコクサイベースのETFありますよね?商品としてどう思われます?」(会場ざわざわ)

丸山氏
「商品としてどう思うかというのは?」(会場ざわざわ)

山崎氏
「投資家が買うべき商品としてよい商品であるのか、もう少し様子を見たほうがいい商品なのか?そのあたりの見解を。」(会場そわそわ)

(つばさ注:山崎さんは、おそらく日興AMの上場MSCIコクサイ株1680のことを言っているのだと思います。市場価格が基準価格と比較して低い状態が続いていました。最近は解消傾向にあります。)

丸山氏
「そんなに大きな問題を感じたことはないんですが、何か問題があるんですか?」(会場ピリピリ)

カン氏
「…ということで、次に行っていいですか?」(会場笑い)

(カンさん、ナイスフォロー!!)

カン氏
「2つ目はですね〜、個人投資家の立場から一番聞きたい分野だと思うんですが、投信というのは歴史が長いんですが、どうも個人のユーザーにイマイチ普及していない。具体的に言うと、投資信託の残高が60兆円前後と停滞している。これは運用業界そのもの、何が原因で一般のエンドユーザーに広がっていかないのか?そこのところを山崎さんから。」

山崎氏
「一番大きいのはマーケットが悪かったこと。いいマーケットが2年くらい続くと、相当に風景は変わる。ただいいマーケットが続いた後は、悪いこともあるはずだし、長期的に考えると、商品の質がよくない。端的に言って、手数料を高くし過ぎちゃったことがあるとは思います。販売手数料もだんだん上がってきてるし、信託報酬もだんだん上がっている。最近モーニングスターの朝倉さんが書いた本が、結構思い切ったことが書いてあって、手数料がだんだん上がっているし、ごく一部のETFを除いて、他に買えるものはないぞと、よくモーニングスターの商売しながら書けるな〜と思うんだけど。(会場笑い)なかなか立派な本だと思いますよ。ただ手数料を高くし過ぎちゃって、あえていえば手数料のことをよく分からない人たちを対象にして売っているから、難しいところは手数料の良心的なファンドを、仮にNアセットが手数料を下げた懺悔ファンドを出した(会場笑い)、Nアセットが何をするかと想像すると、おそらくNアセットにある既存の手数料の高いファンドからそっちに移っちゃう。だから自分たちでなかなか手数料を下げることが出来ない。いわゆる投信マーケティングの袋小路に入ったと。銀行の窓販っていう巨大なマーケットをオープンしておいて、60兆円しかないというのは、やっぱり業界全体としては、かなり情けない状態ではあるんだろうなと思います。」

カン氏
「ちょっとこれは答えにくい質問かもしれませんが、運用会社が悪いのか、販売会社が悪いのかっていうと?」

山崎氏
「販売会社が悪いですよ!」(会場拍手)

内藤氏
「楽天証券なのに勇気ある発言ですね!会社生命をかけた発言です。」(会場笑い)

カン氏
「内藤さん、どう思われますか?」

内藤氏
「山崎さんおっしゃったとおりで、89年から株価がず〜と右肩下がりになっている。それが一番大きくて、アメリカがみんな投資するっていうのは、グリーンスパンが議長やっていただけの話で、その時に401kが始まったから、みんなが素晴らしいと言って投資をやっていただけですから、日本もそれが変わってくればもちろん変わるんじゃないかなと思いますけど。今日来てる方って、中上級者投資家の方が多いって聞いてるので、あんまり関係ないかもしれないですけど、銀行の店頭とか行くと、すごいファンドとか売ってますよね。この前M銀行の店頭で売上げランキングベスト5を見ると、ハイイールドとエマージングとブラジルだけですからね。(会場笑い)2階建てとかそんなんばっかりですからね。で、一番下に「これは販売を推奨するものではありません。」と。(会場笑い)明らかに販売員が誘導しているんですよね。ブラジルのこんな素晴らしいのが出来ましたとか、それを買ってしまってそのまま塩漬けになってまた相談に行くと、乗り換えましょうといわれるんですけど、それをやってるといつまで経っても残高増えないですよね。投資家の人もだんだん賢くなっていって、販売会社の悪い人たちを切り返すトークを展開できるくらい理論武装して、やっていくということが重要ですね。」

山崎氏
「そもそも販売会社の人としゃべっちゃいかんですよね。(会場笑い)そもそも銀行なんかに行くと、今の季節ロクなもの売ってないし、インフルエンザもうつるし、ネット証券でやった方がいいんはないですか?」(会場笑い)

内藤氏
「転職したくないみたいですね、山崎さん。楽天にまだいたいっていう。」(会場爆笑)

カン氏
「丸山さん、日興アセットマネジメントとしては運用会社の立場からみて、よりいい業界にしていくために例えば販売会社さんに望むこととか、もうちょっとここをこうしてくれたらな〜というようなことは?」

内藤氏
「言えるんですか、そんなこと。販売会社"様"ですよ?」

丸山氏
「販売会社"様"ですね。(会場笑い)200社以上の販売会社様とお付き合いさせていただいております。それこそ、私が考えますのは、投資家の方のきめ細かい対応、ちゃんと会話をして、その人がどれくらいのリスクを取れるのか、商品を買うべきなのかをしっかり把握した上で販売してもらう。そこはお願いしたい。」

山崎氏
「その人からどれだけコミッションを取れるか考えてますよね。その人に最適という風には考えていない。」

内藤氏
「保険の窓口と同じですよね。」

山崎氏
「販売会社ですね?やっぱり販売会社が悪いな〜。」(会場笑い)

内藤氏
「揺れてますね山崎さん(笑)」

丸山氏
「どうして残高が増えないかというお話だったかと思うんですが、お二方とも一致すると思いますが、今まで日本の場合はデフレであったということは大きな要因だと思います。デフレの時はキャッシュで持っておくのが一番経済効率性が高いわけですから。それはそれで、今は販社なのかどうなのかという話がありますが、そこを賢く日本の投資家の方もやってたんじゃないかと思います。で、短期的にはデフレの時代が続いても、もちろん収益チャンスがあったので、そこで取り返そうとファンドに投資するということはあって、それで先行する場合は良かったと思うんですけど、これから本当に日本がデフレ脱却できそうだということになると、大きく世の中変わってくると思います。」

内藤氏
「でも必ずしもパフォーマンスがいいファンドが売れてるわけじゃないですよね?例えば日本株なんかで見ても、パフォーマンスが10年間連続でインデックスに勝ってるファンドがあるわけですけど、残高は数十億しか無かったりするんですよね。一方で、宣伝をバンバンやってたファンドが何千億っていうファンドがあったりするわけですから。ちゃんと見てないんですね。いいんだけど、密かに売ってるような商品を見いだせてない。そこは投資家の人たちがもう少し、宣伝をやることも重要ですが、いいものをちゃんと見るということをもう少し勉強していく人が増えてくれば、パフォーマンスにもっと、宣伝ばっかしているよりも、そっちに力を入れていくんじゃないか?」

丸山氏
「それはおっしゃるとおりでして、先ほど私アクティブ、パッシブのところでですね、難しいと申し上げたので、私はアクティブの担当でもあるんですけど、アクティブはパッシブに負けてるんじゃないかと、誤解があったらいけないんですが、勝ち続けられるファンドはある。先ほど申し上げたとおり、平均的には、アクティブファンドを平均すると、なかなかパッシブには勝てませんよということであって、なので、勝ち続けられるファンドを見つけるのが、皆さんの醍醐味だと思う。そのためにはファンドマネージャーが何を考えているんだと、今どんなストーリーとか、何を狙ってるんだと、例えばひょっとしてこれからデフレ脱却するために金融政策がどうなっていくのか、いやいや円安で行くんだと、輸出企業だと。輸出企業は最近、非常に競争力が落ちていると言われてるじゃないですか。そこはどう考えるのか。要は、このファンドとかファンドマネージャーだったら非常によく共感できる。で、過去もいいパフォーマンスだと。やっぱり自信を持って、賭けられるファンドですね。」

カン氏
「もっと情報発信をするべきだと?」

山崎氏
「その自信が危なそうな気がするな〜。行動経済学用語ではオーバーコンフィデンスっていう。」(会場笑い)

内藤氏
「あと、ファンドマネージャーの人の名前が、チーム運用っていうのはもちろんあると思うんですが、マネックス証券が設立された99年の頃っていうのは、結構カリスマファンドマネージャーっていう、藤野さんとかですね、あとは佐久間さんっていう第一勧業アセットの人がいて、彼らが顔をガンガン出して、それがいいかどうかは別にして、顔が見える運用ってあったと思うんですけど、今ってファンドマネージャー誰ですかって言っても、ちょっと言えませんとか、チーム運用なんで誰っていうんじゃありませんとか、日本株のアクティブって言ってもどう違うのって?」

カン氏
「新井さん、その点、すいませんお待たせして、(会場笑い)いわゆる運用される立場から言って、サービス業として、何かもっとこういうふうに投資家に発信していかなければいけないかな〜という問題点をご自身で感じることはございますか?」

新井氏
「振っていただいてありがとうございます。暇にしてたんじゃなくて、今Twitterに答えてただけなんですけど。全然違う話から先にしていいですか?ビール飲みながらやらさせて、あっ、おかわり下さい。(会場笑い)すごい楽しいな〜って思って、ちょっと飲み過ぎると緊張してるからドキドキしてるじゃないですか?酔いが回りますね、これね。(会場笑い)で、質問なんでしたっけ?(会場爆笑)僕らは小さい立場で申し訳ないんですけど、ひとつ思うのは、市場が広がらないっていうのは、新規のお客さんが入ってこない。で、うちのお客さんの分析をしたんですよ。そしたらだいたい2割くらいが投資なんかやったことありませんという方が入ってきていていただいている。たぶん2割って他の会社で達成できてないと思います。っていうのは、だいたいそれを回しているだけですから。」

カン氏
「新しいお客さんを獲得できていない運用会社が多いってことですか?」

新井氏
「だって投資って怖いとか、リスクがあるとか、元本割れするとか、そういうイメージしか無いじゃないですか?その中で、変わってないですよね。それは僕らがよく言うんですけど、農耕民族か狩猟民族か。要は農耕民族の日本人が預金で守られて生きてきたなかで、急に変われるわけないじゃんっていう中で、改革に対して努力をしてこなかったっていうのはいけないことなのかなと。」

カン氏
「逆に鎌倉投信さんが2割の新しいユーザーを獲得できているのは、もしかしたら何が原因か感じることはございますか?」

新井氏
「あの〜宗教。(会場爆笑)鎌倉教的な感じの。」

内藤氏
「さわかみ教とならぶ二大勢力。(会場爆笑)教祖変わりましたけどね、さわかみ教は。」

新井氏
「本当にあの〜信じていただけるお客さんがいるから成立する。」

山崎氏
「証券会社の投信の預かり残高なんか見てると、新規獲得とか毎年毎年、証券会社4社務めたことありますけど、やっぱり増えないんですよね。で結局、既存の顧客のお金をあっちにやり、こっちにやりで、止まっちゃったらこっちにいってっていう焼畑農業をやってるような感じ。」

内藤氏
「楽天証券さんって楽天のあっちからポイントとか付けて、あの手この手で…(会場笑い)マネックス証券もいいな〜って。うちもECやろうかって。マネックス市場やろうかって。(会場笑い)」

山崎氏
「本当はもっと増えてなきゃおかしいんだけどね。」

カン氏
「丸山さん、どう思われます?運用会社の立場から新しい投資家層を呼び込むためには何が必要だと感じておられますか?」

丸山氏
「それは投資家の皆さんと我々の努力が必要だと思いますけれど、税制だと思います。今回の日本版ISAのことを議論されてますけど、ああいう形で国がマネーを投じる方に、それに対してリスクを取ると。サポートするような仕組みを作っていくということが非常に大事だと思います。これまで日本人は基本的に分かんないから銀行預金に預けますと。銀行は貸出をするからJGB、国債を買うしかないというようなことで、国全体が回ってきたと。ところがそれこそ今日お集まりいただいている皆さんは、その先人だと思いますけれど、自分で何かリスクを取って、投資行動を起こす。こういったことが最終的に日本を少しづつ変えていくんだと思います。その中で投信の残高が増えていくとか、いろいろ起きてくると思います。」

山崎氏
「日本版ISAって無いよりはいいけど、相当現段階ではしょぼいですよね。」

内藤氏
「ほとんどインパクトないと思いますけどね。ISA入れたところで。もっと極端な税制を与えれば、預金は課税されるけど、株の売却益は課税されないくらいになれば、それはやろうかなと思いますけど。」

カン氏
「ひとつのきっかけにはなりますよね。」

内藤氏
「数百万円の枠とか作られてもねぇ。」

山崎氏
「とは言え、税金で有利な仕組みで、投資した方がいいっていうのは間違いないから、もちろん取引コストの問題もあるんだけど、使った方がいいですよね。」

カン氏
「パネラーの皆さんにもうひとつお伺いしたいんですが、今日お越しの皆さんも心の中で思っておられると思うんですけど、投資をする人って、何かこう瞬発力があって色んな情報を仕入れて、忙しく動かないといけないって思い込んでる人が多いと思うんですけど、本当はこういう人も投資家に向いているんですよということを一言いただけたら。」

内藤氏
「意外と女性の方が投資は上手いんじゃないか。几帳面、ちゃんと勉強してからやる、リスク・コントロール、オーバーコンフィデンスになりにくい、っていう意味では。」

山崎氏
「これは論文がありますね。カリフォルニア大学のテレンス・オディーンっていう教授の論文で…」

内藤氏
「ホンマでっかTVみたい。(会場笑い)」

山崎氏
「数万口座を調べて、パフォーマンスを調査すると、年率1%くらい女性の方がパフォーマンスがいい。それの主な原因は男性の投資家が余計な売り買いをしているから。売り買いの取引コスト分だけ負けている。なぜ売り買いするかっていうと、内藤さんがおっしゃったのと同じで、オーバーコンフィデンスなんです。すなわち、自分が売り買いすることで、パフォーマンスを改善できるという勘違いが男性にあって、女性より多い。というのがその論文の結論。」

内藤氏
「ファンドマネージャーって女性すごい少ないですよね。」

丸山氏
「少ないですよね。」

カン氏
「それは丸山さん、なんでなんですか?」

丸山氏
「これから増えてくると思いますけどね。あの〜私どもはですね、アナリスト15名前後の半分くらい女性です。どうやってキャリアを積んでファンドマネージャーになるかっていうことなんですけど、アナリストからなる場合が多いんですね。やはりファンドマネージャーは色々な知識を持ってなければいけませんので。なので、これからは増えてくると思います。」

カン氏
「なるほど。新井さんはこういう人が投資に向いているっていうのは?」

内藤氏
「鎌倉投信さんって、女性の社員は?」

新井氏
「今社員10人なんですけど、2人が女性です。うちのお客さん女性の方が多くて、今日もたくさんいらっしゃてるんですけど。」

カン氏
「ちなみに何割くらいおられるんですか?」

新井氏
「うちのお客様〜?(何名か手をあげる。)」

内藤氏
「女性の方、多いですね。」

新井氏
「僕は、どういう人が投資家に向いているかっていうと、信じられるかどうかです。」

内藤氏
「信者ですね。まさに。(会場笑い)」

新井氏
「だって、お金を託すんですよ!命の次に大事なお金を。大事なお金を託すのに、このオッサンに頼めるかどうかっていうのはものすごい重要なことだと思っています。それが出来ないんだったらやめた方がいいですよね。それが出来るかどうかっていったときに、女性の方だったら、「こいつだったら、しょうがないな〜」みたいな。割り切りってすごいな〜と。男性の方が「どうしようかな〜」っていうところが強いように思います。」

カン氏
「なるほど。丸山さんどうぞ。」

丸山氏
「今までのお話に違和感は無くて、物を深く考えてということは投資家としては大事なんですけど、一方で疑える人ですね。自分のことを信じながらも、自分は間違っているんじゃないかと常に疑える人。それで自分をチェックしていかないと。先ほどオーバーコンフィデンスという話がありましたけど、確かに自分が本当に、これからお客さんがリフレだと。本当かな?参院選どうなるのかな?と。本当に欧州危機って終わったのか?と。色々なチェックが必要。そういう常に疑えるってことは大事だと思います。」

カン氏
「なるほど。山崎さんどうぞ。」

山崎氏
「え〜と、会社であまり出世していない人、もしかしたらファンドマネージャーに向いているかもしれない。(会場笑い)疑える人っていうか、疑いが顔にでる人って、端的に言って出世しないです。運用会社で6社務めたわけですけど、完全な逆相関といわないまでもパフォーマンスが良くて、センスがいいな〜と思うファンドマネージャーは、人事的にはあまり恵まれない人が多いですよね。(会場笑い)これをぜひ丸山さんがそれを破る判例を作ってほしい。」

丸山氏
「ありがとうございます。かなり響く話でして、確かにサラリーマンが向いていないからファンドマネージャーやってるんじゃないかというような人が中にはいます。それは非常に優秀ですね。ファンドマネージャーとして。少なくとも当社はそういう人は優遇されます。運用会社としてプロとしてやっていくには、そういう人がのびのびと仕事が出来ませんと、お話になりませんので。」

山崎氏
「私の転職ライフは失敗だったかも…(会場笑い)そういう会社に入れば転職しないですんだかも…」

カン氏
「では最後の質問なんですが、4人の方の個人の経験で結構です。短くお願いしたいですが、ファンドマネージャーをやっていて一番嬉しかったこと。あるいは史上最大のピンチなどどちらでも結構です。短く体験談があれば。丸山さんからお願いします。」

丸山氏
「ファンドマネージャー時代にですね、もうこれ以上パフォーマンスが悪化したらクビだと、これは投信ではなく投資顧問のお客さんから言われていた時に、しっかりと定められた範囲内でリスクを取って、きちんとパフォーマンスを出して、よくやったねと。引き続き継続して預けるよと言われた時が一番嬉しかったですね。」

新井氏
「この事業を鎌倉投信でやらせていただいて、ず〜と言ってきたのが、ウォーレン・バフェットじゃないですけど、投資でうまくいく方法って、安く買って高く売る、ただそれだけなんですよ。よく言うんですけど、いい会社が安く買えるんだったらバーゲンセールだよって、ず〜とお客さんに言ってきて、震災の時にお客さんが応援したいって言って、普段の入金の10倍あって、「あっ、分かってくれたんだ」って分かった瞬間がファンドマネージャーとして最高でした。」

内藤氏
「だいぶ昔のことなんで、あんまり覚えてないですけどね〜。でも、やっぱりお金引き上げられちゃう時が一番辛いですね。お客様の特に年金運用ですと、3ヶ月に1回説明に行くんですね。色んなところに回っていって、営業の担当の方とかとまわっていくんですけど、説明聞いてもらえる時もあるんですけど、説明が終わった瞬間、「まことに申し訳ありませんが」と言ってバサッと。それが一番辛かったですね。ロンドンからファンドマネージャーとか来るんです。業界では見せ外人と言いましてですね、外国人が説明に行くと、運用を委託している会社は怒らないんです、なぜか。(会場笑い)僕と上司が説明に行くと、「なんでマイクロソフト買わないんだよ〜!」とかガンガン言われるんですよ。で今度、ロンドンから来た外人を連れて行って、彼が英語ベラベラ〜としゃべったやつを日本語でしゃべって、「何か質問はございますか?」って言うと、「いやっ、特には…」(会場笑い)外人を連れて行くと日本人がしゃべらなくなる日本人のコンプレックスをついた極めて巧妙な説明方法です。(会場笑い)」

山崎氏
「ファンドマネージャー時代で言うと、やっぱり基準価格が横並びで比較できるんですよね。バランスファンドやってたんですけど、10社ほど同時期に設定されたファンドがずら〜と並んでるんで、その数字に勝ってるっていうのは、ささやかに嬉しいですけど、ただ、ファンドを運用している時の喜びっていうのは、とりあえず無事に済んで良かったなというのが、あとからじんわりっていう程度で。嬉しかったっていうか、少し複雑だったんですが、よしっと思ったバブル崩壊の時ですね。90年をまわって、日経平均が1日当たり1000円単位で下がり始めたんですけど、88年に日本の株価は高すぎるっていう論文を書いたことがあって、東大の若杉さんのレポートを批判した論文を書いたことがあるんです。その後1年株価がなかなか下がらなくて、苦労したことがあって、株価が下がったぞ!ざまあ見ろ!と思って、(会場笑い)しかし、自分が運用しているファンドが毎日10億円以上損してる、っていう少し複雑ではあったんですが、まあ正しい方向に動いてるって思いました。」

カン氏
「なるほど、みなさんすごく深い経験をお持ちでいらっしゃるんですね。では皆さん、この辺りで一度休憩を入れさせていただきます。」(会場拍手)


レポートはまだ続きます。

(次回に続く)



<追記>シリーズ記事リンク
「第5回インデックス投資ナイト」参加レポート その1
「第5回インデックス投資ナイト」参加レポート その2
「第5回インデックス投資ナイト」参加レポート その3
「第5回インデックス投資ナイト」参加レポート その4
「第5回インデックス投資ナイト」参加レポート その5

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