2013/01/22

「第5回インデックス投資ナイト」参加レポート その4

「第5回インデックス投資ナイト」参加レポートその1その2その3の続きです。

「第2部 座談会 ファンドマネージャーがホンネで語る運用業界」の後編です。

当日の会場の雰囲気を再現できるよう詳細に書いた結果、長文となってしまいましたが、参加出来なかった方に伝われば嬉しいです。

以下は座談会出演者の発言を引用したものであり、私の個人的解釈でまとめていますので、誤解・曲解があるかもしれないことを予めご了承下さい。(間違いがあった場合、ご指摘いただけるとありがたいです。)



カン氏
「みなさん、パネラーの方のお話を聞いていただいて、それぞれの方の個性とか、ファンドマネージャーとしてどんなふうなことを考えているかっていうことが、なんか…パネラーの方、ちょっとそこでしゃべらないで。(会場笑い)」

内藤氏
「住信同窓会をちょっと…」

カン氏
「同窓生なんですか!」

内藤氏
「(パネラーを指さしながら)住信、住信、住信…」

カン氏
「それはもういいから!(会場笑い)あのですね、次の質問なんですが、ファンドマネージャーの方はお仕事として運用されていると思うんですが、個人投資家を見て何か羨ましいな〜とか、つまりプロとして運用している立場から見て、プロの投資家には無いメリットを個人投資家の方が何か持っているのかな〜と感じることがあれば。丸山さんから。」

丸山氏
「運用という観点から申し上げますと、自由ですよね。個人投資家の方は。要するに何でもいいと、それこそ日本株でも、ロシア株だろうが…基本的には説明責任がご自分にしか無い、しいて言えばご家族に対してと。そこは、先ほど申し上げたとおり、私どもはお客さんに信頼していただいてこそなので。特に不特定多数の方の資金をお預かりする場合には、方針とやっていることが一致していないといけませんので、といった意味で、自由度は個人投資家の方が高いんではないかと。」

新井氏
「あの〜個人投資家の方々はですね、色々な方がいらっしゃるんですけど、今お話がありましたけれども、選ぶ権利があると思うんですよ。たくさん厳しい目で選んで貰えればいいと思うんですよ。業界の中でファンドマネージャーの方々ってすごい辛い立場にいて、なんで辛いかっていうと、内藤さんもお話になられてましたけど、サラリーマンファンドマネージャーが多いと。要は、となりより少し良ければいい。となりの会社より少し良ければいい。で、私は独立したんで、好きなことをやらさせていただいている。だから好きなようにやる。先ほど、お客さんから宗教という話が強烈すぎると。(会場笑い)信じていただくということは、宗教とニアリーイコールなんで、そういうふうにお伝えしたんですけど、僕はず〜と20年間クオンツ、要は計量調査でやってきて、アクティブはインデックスに勝てないっていう想いの中で、鎌倉投信じゃあどうアクティブでやるんだっていった時に、クオンツ使って出来ることは、インデックスに乖離すること。ただ、それだけ。なぜならば日本のインデックスは上がらないと僕らも思っているから。…あっ、インデックスの方々、すいません…(会場笑い)で、僕はそれを信じているので、それを信じてくれる方が集まってくれたらいいな〜と考えている。」

カン氏
「丸山さん、ちょっと一言あるらしいですね。(会場笑い)」

丸山氏
「今、サラリーマンファンドマネージャーっていう言葉が出て来ましたね。確かに良く聞く言葉だと思います。ただ、最近はすごい減りました。特に我が社(日興AM)については
一人もいません。ファンドマネージャーを基本的に辞めることになったら、他の部署に異動するってことは非常に少ない。」

カン氏
「どうなるんですか?」

丸山氏
「他社に、ファンドマネージャーをやる機会を探しに行くということだと思います。」

カン氏
「退職して?」

丸山氏
「そうです。」

内藤氏
「(某信託銀行)は色んな部署で引き取ってもらってました。(会場笑い)」

山崎氏
「よっぽど不向きな人でも、自分から辞めようとする人はいないね。」

丸山氏
「ええ、それはそのとおりです。」

山崎氏
「いい仕事なんですよね。」

丸山氏
「いえいえそんなことはないですよ。これは基本的にインデックス、ベンチマークを下回ったら存在意義が無いですから、アクティブ運用としては。なので、もちろん1日ではそういうこともありますよね。1日のパフォーマンスが例えばTOPIXが3%だった時に、2.5%しか上がらない。そういうことはあり得る。だって、違うポジションを取っているんだから。だからこれが1週間、1週間だったらまだありますね。1年、2年、…10年だったらあり得ないのはわかりますね。5年だってあり得ないですね。そこの見極めというのが運用会社に任せられた非常に大きな仕事なんです。実績として、力が出せないのか、本人の力によるものなのか、それともたまたま相場つきが合わないのか。投資方針としてやむをえないのか。特に日本株の場合は、非常にビジネス的にも厳しい状況が続きました。なので、サラリーマンファンドマネージャーというのはほとんど残っていないと思います。」

内藤氏
「ファンドマネージャーってひとついいことは、長くやっていると運用経験年数っていうのが、例えば15年とか20年と書けるんです。だから、生き残ってるっていうこともあるんですけど、例えば運用経験1年のファンドマネージャーと運用経験25年のファンドマネージャーだったら、どっちに頼みますかっていったら、普通25年ですよね。年金運用とかだと、ファンドマネージャーの平均運用経験年数をちゃんと書いて委託先に我々は17年なんです。19年なんです。って言って、それをセールストークにしていくことがあるので、長く生き残れば生き残るほど、より生き残りやすくなる。そういうバイアスがかかるっていう。もちろんパフォーマンス悪ければダメですけど、そこそこのパフォーマンスで長くいると、それ自体、運用業界に長くいるっていうこと自体がステータスになってしまう、っていうところがあるんじゃないかと思います。」

カン氏
「山崎さん、長い経験というのはいいことなんですか?」

山崎氏
「いや、まあ別にそうでも無いと思いますよ。(会場笑い)優位に影響しないと思います。ただ、年金運用業界では優遇されますよ。長くやってると。」

内藤氏
「証券アナリストを取ってる人が何人いるかとか、そういうことによって評価をしたりするんですよね。」

山崎氏
「年金基金っていうのは要するにパフォーマンスについて加入者に対して言い訳しなければならない人達だから、言い訳の材料を予め集めておく必要があるんですね。」

内藤氏
「なぜA社じゃなくてB社にしたんですかって聞くと、いやっB社には運用経験年数が長い人がいて、証券アナリストの数が多いんですって、こう言えるっていうね。」

カン氏
「丸山さんがなにかあるらしいです。(会場笑い)」

丸山氏
「皆さん、もしですね、ご自分が年金基金の運用の責任者としてA社よりB社の方が、証券アナリストの数が多いとか、運用経験が長いからっていって、納得して決裁します?」

新井氏
「すいません、独立系から言わせてもらうと、そういうので決められているっていう感覚はすごくあります。」

丸山氏
「でも、そんな時代じゃないですよ。」

内藤氏
「いや、それはひとつのファクターであって、それだけで決めている訳じゃないんですけど、構成要素の中の20個質問事項があると、御社のファンドマネージャーのうち、アナリストを持っている人は何人いますか?とか。御社のファンドマネージャーの平均運用年数は何年ですか?とか。そういう質問事項がある。」

山崎氏
「端的に言って、年金の運用コンサルタントっていうのは、あまり付加価値は無いんだけれども、自分たちのビジネスを作ってるんですよ。まあそこで、運用成績と直接関係ないことを定性評価とかなんとかって言って、インチキな商売をやってる。リターンを増やさないFPみたいな商売をするコンサルタントがいるの。(会場笑い)」

カン氏
「もう放っておくといつまでもしゃべられてしますので…つまりこういうことですよね?今日この会場におられるのは個人投資家の方なので、最後に4人のパネラーの方に、個人投資家が運用会社、投資信託を見るときに一番ここを見て、この運用会社ならいい。あるいはこのファンドならいい。何を個人投資家が見てこれから運用していったらいいと思いますか?丸山さん。いわゆる個人投資家へのアドバイスを。」

丸山氏
「まずはどういうアセットクラスに投資をするべきなのかという自分なりの考え方ですね。第1部のプレゼンテーションでインデックスを買うことによって世界経済に感心を持って、分かるようになりましたと、いうようなお話でしたけど、そもそもこれからどういう世の中になりそうなのかと、どういう株なのか?引き続き債券なのかと。そういう自分なりの考えを持った上で、投信なり運用会社を選ぶと思います。そうじゃないと、色々な話がありましたけれど、なんか面白そうな話とか、儲かりそうな話って、世の中に溢れてるんですよ。それに、ああ良さそうだねと乗っちゃったりなんかしてですね。やはり投資は自己責任ですから。そこはなんとしてでもですね、まず自分が能動的に考えていただくということだと思います。」

カン氏
「新井さんは、どんなアドバイスをされますか?個人投資家に。」

新井氏
「鎌倉投信の説明会に来てください!(会場爆笑)それだけです!(会場拍手)…あの〜2つです。ひとつは運用哲学です。運用哲学を大事にして下さい。」

内藤氏
「教義!教義!」

新井氏
「教義を大事にして下さい。(会場笑い)」

内藤氏
「教典ともいいますね。(会場笑い)」

山崎氏
「教祖も大事ですよね。(会場笑い)」

新井氏
「教祖…教祖は教典があれば大丈夫です!(会場笑い)2つめ、運用会社がちゃんと教典に沿ってやってるかどうか。(会場笑い)教典じゃなくて投資方針ですね。投資方針に沿って、それ通りにちゃんとやってるか。僕はそこだと思います。そこをちゃんと評価して下さい。」

内藤氏
「インデックス投資ナイトに来ている方ってコストとかね、そういうところに興味がある方が多いと思うんですけど、コスト競争ってほとんどもう終わり、終焉に近づいていて、ここから2ベーシス3ベーシス下がったことによるよりも、安倍さんが今日何言ったかの方が圧倒的にパフォーマンスに影響するわけですから。さっき丸山さんおっしゃったように、アセットアロケーション、どこに張るかっていうことを考える方が、インデックスのバンガードとどこのどっちがいいとかそういう話よりも圧倒的に関係あると思うんで、そっちにもっとエネルギーを持った方が、もちろんコストの安いいいファンドを買った方がいいんですけど、日本株の比率を上げるか下げるかの方が、どの日本株のファンドを買うのかよりも、たぶん圧倒的にパフォーマンスに影響すると思いますから、そっちにもっとエネルギーを割くべきじゃないかなと。趣味でやっている人はマニアックにやっていいと思うんですけど、パフォーマンスは変わらないんじゃないかなと。」

(つばさ注:内藤さんの「コスト競争はほとんどもう終わり」発言には、私も含めTwitterで反対意見が圧倒的に多かったです。米国と比較すると、まだまだ投資信託のコストは値下げ余地があると考えています。)

山崎氏
「さっきサラリーマンファンドマネージャーっていう話があったんですけど、サラリーマンファンドマネージャーじゃダメなんじゃないかって感覚を、みなさんもしかしたら持ってるんだと思うんですが、サラリーマンファンドマネージャーじゃなくて、例えば外資系の運用会社で、パフォーマンスが評価されて良ければいっぱいボーナスもらうみたいなファンドマネージャーがありがたいと思っている人こそが、金融マーケットにおけるどん百姓っていうか、そういう人がカモなんですね。実際に何に投資してるのかっていうことが大事で、少ない金額であれば宗教を味わうということも醍醐味だったりするんだけど、だけど、何に投資しているか、そこを考えた方がいいと思うし、例えばコストが高くて、なんかこうイメージで売ってるものに対して疑いを持った方がいいですよね。あと、もうひとつ言えば最近、ちょっと相場が上がってきたから、儲かってきたから気楽に売れる気分の人っていると思うんですよね。確かにそういう人がいたほうが、ネット証券としてはありがたいんだけど、(会場笑い)そもそもちょっと上がったくらいで売らなければいけないポートフォリオっていうのも、元々のアセットアロケーションの設計の出来が悪いんですよね。でまあ、不必要な売買はしない。自分で自分のポートフォリオを判断できてるっていう実感を絶えず持ち続けてくれるといいな〜と思います。」


これで座談会は終了です。

この後、会場から質疑応答がありました。座談会の感想も含めて次回に書きます。

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