2013/09/20

過去の株式市場の推移(リスク編)

国際分散投資は有効か?」「過去の株式市場の推移(リターン編)」の続編です。最後は「リスク」について検証します。

日常生活でリスクという言葉は「危険」や「恐れ」などといった意味で利用されますが、経済学においては「不確実性」のことを指します。

つまり、株式の「リスク」とは、平均リターンからどの程度ブレるかを示すもので、「標準偏差」のことです。


分析期間は1988年1月~2013年8月。リスク(標準偏差)の推移が分かるように、当該時点から過去1年間&過去3年間の月次リターンから年率換算したリスクを算出し、グラフにしました。各インデックスのデータはMSCI社、円換算するための為替レートは日本銀行のデータを使用しました。


まずは日本(MSCI JAPAN)から。


次は、先進国(MSCI KOKUSAI)。


最後は、新興国(MSCI Emerging)。



「リターン」「相関係数」と比べると「リスク」は変動が少なく見えますが、特にリーマン・ショックがあった2008年ごろはリスクが上昇していることが分かります。

例えばリスクが低くなっていた2006年ごろに、「過去データを見ると株式のリスクは減少傾向にあるので、株式のウエイトを上げよう」と判断してしまった場合、リーマンショックで痛い目にあっていたかもしれません。


このシリーズ記事で、何が言いたかったのかというと、「過去データを基にした※効率的(有効)フロンティアを過信してはいけませんよ」ということです。

※効率的フロンティアとは、あるリスクを取る場合にリターンが最大になる資産の組み合わせのことです。


例えば、株式の「リターン」が高く、「リスク」と「相関係数」が低くなっていった時期に、効率的フロンティアを計算したら最適な株式のウエイトは上がるはずです。

しかし、このシリーズ記事で見てきたとおり、リーマンショックなどの大きな出来事(事件や災害)が起こった時は、「リターン」は下がり、「リスク」「相関係数」が上がるといったトリプルショックを受ける可能性があります。

自分がどの程度の「リスク」を取れるかは、各個人の「リスク許容度(拒否度)」によって変わりますが、必要以上の「リスク」を取りすぎてもいけませんし、アセットアロケーションを計算する際には保守的(「リターン」は低め、「リスク」「相関係数」は高め)に数値を見積もる必要がありそうですね。


でもだからといって、暴落した一時期を切り取って「長期分散投資の時代は終わった」なんて言わないで下さいね。いつどのタイミングで暴落が起こるか予測出来ませんし、暴落してない期間の方が長いのですから。

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